ドビュッシーの生家を訪ねて

アート

フランスを代表する作曲家

Claude Debussy クロード ドビュッシー
(1862-1918)

月の光や、亜麻色の髪の乙女(島谷ひとみじゃないよ)など、誰もがどこかで耳にしたことのある数々の名曲を残した人物です。

私がドビュッシーを知ったきっかけは椎名林檎さん🍎
初期の彼女が、好きなアーティストを聞かれた時の答えがドビュッシーでした。

もともと、モネなどの印象派の画家が好きだったので、音楽の印象派と言われているドビュッシーもすんなり好きになりました。

ちなみに印象派をざっくり言うなら、自然の光や色、時の経過などの”印象”を捉えて、作品にしている感じ。
何を描いているのかぼやっとした感覚の中に、何か強烈な印象を残す、みたいな雰囲気です。

ドビュッシー本人は、印象派とカテゴライズされるのを嫌悪していたようですが、皮肉にも、今日では印象派音楽の代表的作曲家として名を残しています。

そんな彼が生まれた土地、サンジェルマン・アンレー。
街の中心にある生家は博物館として一般公開されていて、灯台下暗しとなる前に行ってきました。

受付で6ユーロ払って中に入ると、さっそく中庭が。

残された井戸に昔の生活を感じます。

中庭の階段を上り、2階にあるオーディオルーム。

ドビュッシーの音楽を高音質で楽しめるほか、定期的に小さなコンサートや上映会も開かれているそう。

壁には、幼少期からたどるドビュッシーの歴史が、両親や親族の写真とともに展示されています。

3階に上がると、迫力満点の銅像がお迎え。

そして、その隣にはデスマスク!

デスマスクとはその名の通り、死者の顔の型を取ったもの。

フランスでは17世紀頃から、デスマスクを告別式で飾ったり、肖像画を描くための資料にしていたそうです。

(ナポレオンやベートヴェン、ゲーテのデスマスクも存在しているらしい)

奥には、ドビュッシーの書斎が表現された展示。

本棚には、浮世絵が飾られています。

1867年、第2回パリ万博に日本から大量の浮世絵が出品されたのを皮切りに、ヨーロッパでは”ジャポニズム“が大ブーム。
モネやルノアール、セザンヌがそれらの影響を受けた作品を残しているのは有名ですね。

そして、ドビュッシーもその中の一人。

書斎に飾られている、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』からインスパイアされた交響詩『海』を作ってしまうほど。

初版のオーケストラスコアの表紙には、オリジナルそのままパクってる感がすごいデザインが使用されています。

※Wikipediaから引用

似たような繊細な感性があるけど、アウトプットの形が違いすぎて度肝を抜かれる。

この感じ、フランス人と国際結婚した自分にはとても親近感あります。

異性関係が波乱万丈だったドビュッシー。

それでも、展示されていた愛娘との写真や、本人が送った直筆のポストカードなどを見ていたら、スキャンダルばかり取り沙汰される影に、父親らしい面や普通の人らしい体温があるのを感じました。

やっぱり実際に足を運び、そこにあるものを感じるのはいいですね。

また一つ、自分なりの真実を得るのは人生の喜びです。

家に帰ったら、改めてゆっくり「亜麻色の髪の乙女」を聴いてみようと、新たな楽しみを胸に♪

とても満足な帰り道でした。

オマケ。サンジェルマンの街の中心にでーん!描かれたドビュッシー🎼

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